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見る・買う・聴く・身に付ける、様々なシチュエーションで理由や意味を見出すための備忘録

著:又吉直樹 火花 あらすじや感想、純文学について

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火花読了。表現の多彩さが物語を美しく表現している。泥臭い話がここまで綺麗に表現できるのはすごい。#火花 #又吉直樹 #芥川賞 #book

 

アマゾンで700以上のレビューがあり、賛否両論の火花が楽天ブックスから届きました。

それにしても、前日の11時にポチって、翌日のAMに着くのは大学の頃住んでいた田舎とは違う環境で、都会に住むメリットだと思う。

 

 

既に200万部も発行されており、多くの人が読んでいる火花ですが、思ったことを備忘録として書き留めたいと思います。

 

あらすじは、一人の駆け出しの芸人がお笑いの本質や理想を追い求める先輩芸人と出会い、理想と現実に揉まれながら芸人人生を歩む10年間の物語。

ページ数も130ページほどで、東京‐大阪間で読めてしまうくらいの分量です。

 

一丁目一番地の感想としては、文章の美しさがやはり挙げられると思います。

所々に見受けられますが、「僕」が芸人として生きていく中では、泥臭さやアウトロー事象は発生してしまいます。しかし、この本にはそのような場面でも、美しく見せるための文章の引き出しが多数あり、どれも芸人としての特異な現象でありながら、なぜか美しいイメージを持てるような文章になっています。

 

火花を読む前から、爆笑問題の太田さん等が語られていたように、著者が持ち合わせている表現の引き出しが多いというのは、まさにその通りだと思います。

 

途中に出てくる美樹さんという女性の美しさがより際立っていた点やラストで出てくる芸人としての生き様そのもののような行動に、なぜか拒否感を感じることなく読めたのは、この表現力に尽きるのでしょう。

 

ミーハーながらスクラップアンドビルドも読み、純文学とは何かというと、人間の本質・内面を表現するジャンルなんだと思っています。だからこそ、スクラップアンドビルドしかり火花しかり、読み終わった後に自分という人間について本の中の登場人物と対比しながら、思い耽るのが楽しい。

今までは爽快なストーリーやどんでん返しが好きでしたが、純文学という文章は自分について考え直すときに手に取りたいジャンルの本だと思います。

 

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ただし、毎日読んでるときっと滅入るくらい、人間の本質や内面は考え出すときりがないと思う。気分が落ちているときには読むと怖いジャンルだとも思います。